PureWhite
「本当に、僕にも解らないんだって。
昨夜、ねこは拾ったけど、
女の子は拾ってない。
朝起きたら、君がいた。
困ってるのは僕の方だ。」

ふぅ。
と、女は溜息をついた。
「警察に連絡してください。
あなたが拾ったって言うねこはいない。
私は何があって記憶がないのか
解らない。
記憶喪失って、相当凄い事がないと
ならないんでしょ。
警察に何があったのか調べて貰います。」

確かにその通りなんだけど、
なんだかそれはマズい様な気がした。
実際やましい事は何もないんだけど
酔って昨夜の記憶はほとんど無い。
曖昧な状況で表沙汰になったら
マスコミが変に弄るかもしれない。
「一時的に混乱してる
だけってこともある。
少し落ち着くまで、
警察はちょっと待とう。
とりあえず、朝ご飯でも食べよう。
何か作るよ。」

「お腹なんか空いてない。」
女は言ったけど、僕はキッチンに
戻った。


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