PureWhite
-3-
お腹なんて空いてない…と
言った割に、女は
ベーグルとミネストローネと
スクランブルエッグをペロリと食べた。
でも、とても味わっている風には
見えなかった。

当然と言えば、当然だけど…。


「で、あなたは誰?」
ミネストローネの最後の一口を
飲み干して女が言った。
「早川トオル。27歳。」

「何してる人?」
「尋問かよ。
人んちで朝飯食っといて?」

「もう昼だよ。
それに、落ち着いて考えよう
って言ったの、そっちでしょ。
何かの手懸りになるかもしれないし。
職業は?」
「アイドル」

「は?」
は?じゃねぇよ。
「それもトップアイドル」
腹が立って付け加えてやった。
我ながら、なんて間抜けな答えだ。

「ふざけないで!」
思った通りの反応だった。
< 19 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop