PureWhite
そうこうするうちに、
女も目覚めた。

しばらく、ぼぅっと
天井を見て…、
窓を見て…、
僕を見て、ギョッとなって
シーツを引っ掴んで、ベッドの端に
飛び退いた。
心底なにが起きたのか解らない風で、
声も出ない様子だ。
これが演技なら、名女優だ。
能力の使い所を間違ってるゼ。と
心底腹を立てていた僕は
心の中で毒づいた。

ことさら億劫そうに
僕はベッドから降りて
冷静そのものの声で女に告げた。
「すぐに出ていけ。
2度とこんなことするな。」

女の顔も見ず言い捨てて、
コーヒーを淹れにキッチンへ向かった。
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