GORIO-ゴリオ-
そんな体格の良い自分が嫌で、毛深い自分が嫌で、水泳大会の前に一度毛を剃った事がある。
腕毛も剃った。
脚毛も剃った。
剃って剃って剃りまくって、余りの毛深さに安全カミソリの刃に毛が詰まっても、諦める事なく必死に剃って、腕も脚もツルツルになった。
そしていざフサフサからツルツルになってみてると…
ツルピカな肌はとても寒かった。
まるで雪山に裸で放り出されたかのようだった。
肌に触れる冷気が骨身に染みた。
守るべきものを失った身体は、寒さに耐えかねて震えていた。
そうしたらすぐに風邪を引いた。
夏だと言うのに寒くてくしゃみが止まらなかった。
それでも気合いで水泳大会に出てみると--
なんとベストタイムが出た。
驚くことにベストタイムが1秒も縮まった。
今までどんなに練習を頑張ってもタイムを縮める事が出来なかったのに!
毛を失った身体はツルツルで、水の抵抗が格段に小さくなっていたのだ。
毛のヤロウ、今までどんだけムダな抵抗受けてたんだよ!
さすがフサフサしてるだけの事はあるわね!
なんて腕毛に向かって悪態をついてみたが、いくら大会でベストタイムが出ても、その後3日間も風邪で寝込んでいたのでは意味が無い。