GORIO-ゴリオ-
ゴリコ
花の女子高生になった私の身長は171センチになっていた。
女子の平均身長よりはだいぶ高い。
そして高校に入学して初めて自分の身長の高さを呪った。
クラスの男子には「オマエ体格良いな」などと言われ、満員電車に乗れば後ろの男子高校生から「でっけぇ女だな」とヒソヒソと噂された。
ハッキリ言って私の自尊心は傷ついた。
私のナイーブな乙女心はボロボロと崩れ落ちて行った。
平均よりも大きな身長に広い肩幅、彫りの深い顔つきに太い眉毛、そして女の子にしては濃い体毛。
その全てが気にすれば気にする程に嫌になった。
自分の太くてガッシリした腕を見る度に思った…
まるでゴリコではないかと。
風にフサフサと揺れる体毛を見ては思った…
まるっきりゴリコじゃないかと!
そう思う度にどんどん自分に自信を失った。
自分の事が嫌いになりそうだった。
もうこれ以上誰にも自分の身体の事を言われて傷つきたくなかった。
『その割には俺の事遠慮なくゴリオとか言って来るけどな』
ちょっとゴリちゃん、今はまだ私の回想タイムなのよ!邪魔しないでちょうだい!
「ゴリちゃんはちょっと黙ってて!」
興奮の余り私の心の声はまたもや声に出てしまっていたようだ。