びーだま

心底

杏と出会って一週間が過ぎた。

杏は毎日顔を出すようになった。

客でもないのに毎日居座るヤツもいて、正直鬱陶しく感じていた。

だけど、杏は別だった…好きとかそんなんじゃない。ただ、気になって仕方なかった。

杏は笑わない…。ニコッとも、愛想笑いもしない。

俺には、自分を見ているようで、過去を引きずり出される思いだった。


もうあんな自分には戻りたくない…だから…杏にも笑ってほしかった。


杏の腕を掴んだとき…杏は今までに無い恐怖をその深い瞳に魅せた。


なんだ…?
何なんだ?

どうしてなんだ…。

止めてくれ!俺を……。

………俺を壊さないでくれ。
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