【短】悲観的恋愛物語
「でもさ、顔知らないんでしょ?街で会っても分かんないんじゃ、進展なくない?」


「あっ…」


本当だ…。

そんな簡単なことにも気付かなかった。

どうしよう…!!


「でも、でもね?このままでもいいかなー…なんて思ってたり」


「は?ずっと片想いでいるつもり?」


眉間にしわを寄せて、そのままあたしを問い詰める。




「確かに両想いになれたら幸せだろうなーとは思うけど、好きでいるだけでもいいかな…って思うんだよね」


「まじ!?緋芽絶対変わった…!!今までじゃありえないこと言ってるし」


友達はただただ驚くばかり。


あたしだって、自分がそんなこと考えるようになるなんて夢にも思わなかった。


でもやっぱり少しだけ……

少しだけど、何の繋がりもない今は寂しいかなとも思う。
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