【短】悲観的恋愛物語
「……警察」


「和泉くん?どうかした?」


急に考え込む和泉くん。


「あ、ごめん…急に変なことお願いしちゃったよね」


気が付いて、あたしは急いで謝った。

和泉くんがあたしなんかのために、そんなこと考えてくれるはずないか。

だって今日、初めて話したぐらいだし。




「いや、全然いいよ!!俺なら…俺のこと聞いて欲しいかなー」


「え?」


意外な素直な答えに驚いた。


「自分のこと気にしてくれてるって思ったら、なんかうれしくなんない?」


「え、あ…そだね」


「だろ?」


和泉くんの顔は、本当にうれしそうな笑顔だった。

眩しいぐらいに…。
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