【短】悲観的恋愛物語
「あのさ、俺が昨日ここにいたこと…誰かに言った?」


恐る恐るって感じであたしに聞いてきた。


「ううん…言ってないけど?」


あたしのその言葉に、和泉くんは安堵の表情を浮かべる。


「まじ?よかった♪さんきゅっ」


「もしかして、ここにいること誰かにバレたくないとか?」


「えっ」


和泉くんって顔に出やすい人なんだね…。

ビンゴって顔に書いてあるよ?




「誰に?何で?」


男が嫌になってから、あんまり男の子と話してなかったけど……

なぜか和泉くんは話しやすかった。


安心する…んだよね。


不思議なことに。


何でかな…?
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