【短】悲観的恋愛物語
「俺なんかの話、まともに聞いてくれる女の子はいないと思ってた」


じっとあたしの目を見て話してくれる。


「でも渡辺は、俺をいい人だって言ってくれたよな?そんな子もいるんだって、うれしくなった」


そう言って優しく微笑む和泉くん。


「そんなのあたしだって!!あのメールで、どれだけ前向きになれたか…」


本当に救われたんだから…っ。




「俺らは似た者同士ってことだな」


少しだけ赤くなって笑う和泉くんに、胸がドキドキ鳴る。


和泉くんが、あたしの好きな人…?

じゃあ和泉くんの好きな人って…。


「で、でもあたし!!和泉くんと違って、性格歪んでるよ!?か、かわいくもないしっ」


すると…机の上に置いてた左手を、和泉くんの右手で握られた。


「だーかーら。俺らは似た者同士。俺だって超歪んでるだろ?それに、かわいいよ…渡辺は」


ギュッと強く握られた手が、熱を持つ。

あたしの顔も当然真っ赤。
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