【短】悲観的恋愛物語
「ていうか、ここ図書…んっ」


いくら人目につかない場所だとはいえ、見付からない保証なんてないのに。


重なる唇に逆らえない…。

何度も何度も角度を変え、優しいキスを繰り返す。


今まで出会った男たちはしょうもなくて、心も小さな人ばっかだった。

だから男に関わらないようにしてた。


でも和泉くんに出会えて、あたしは変われた。




「ん……待っ…んっ」


こんな悲観的なあたしを、受け入れてくれる人もいるんだね…。


「好きだよ…緋芽」


ヤバイ…。

クラクラしちゃうよ。


そしてまた、ギューッて強く抱きしめられた。


「もう離さねーから」


二人でいれば、もう何も怖くない。
< 56 / 60 >

この作品をシェア

pagetop