【短】悲観的恋愛物語
「まじ?じゃあ注目を集めようが、この手は離しません」


ニッて笑って、繋がったままの手に力を加えた。


「ず、ズルイ!!」


負けじと睨みつけてみる。


「魂が惹かれたんだから仕方ない!!」


「ぷっ…あはは♪」


それを言われちゃ、もう言い返せないよ。

あたしたちだけが知ってる秘密。




「あ、そうだ」


今度は何か思い付いたらしい一也。


「俺にはもう他の女の子は関係ないし?緋芽も悲観的にならないように、いいこと考えた!!」


そう言って笑った顔は、確かに少年のような輝きがあるかも。


「俺のこと好きって言って」


「え?……一也大好きっ」


戸惑いながらも、精一杯の笑顔で言った。

気持ちを込めて。
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