星空を見あげて
近所の住人なのだろう。
こんな時間になにをしているのかは知らない。知りたいほどの興味もない。

ただ、夜の散歩道で出会う不思議な青年。
その彼に会うためにここへ来てしまう。

「……そうしてみる」

私は青年と同じように、空を見あげる。
ぼおっと。見あげる。
ふと横を見ると、青年はまだ空を見ている。

彼氏の寝顔を見るのは好き。
でも今、ここで名も知らないこの人と空を見るのも好き。

ふたり揃って白い息を吐きながら、私達は暫し立ち尽くした。

―おわり―
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