Sales Contract


その後は他愛のない話ばかりしていた。

自分の趣味とか、友人のこととか。


でも、お互いの共通点なんて全く見つけられなかった。

むしろ、あたしたちの価値観は違う所の方が多かった。

それでも何故か勝也くんとの会話は楽しい。


相手が18才という新鮮さなのか、ただ勝也くんが話上手だからという理由なのかはわからないけど。



話すことに少し疲れて時計を見ると、もう時刻は午後10時を回っていることに気付いた。


「大まかだけどお互いのことはわかったし…この後あたしが言いたいこと、わかる?」


遠回しにあたしが誘うと


「シャワー借りていいですか?」


ダイレクトな答えが返ってくる。

物分かりが良い子だ。


「どうぞ、適当にタオルとか使って」


その間に食器を片付けて、彼が来るのを待った。

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