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ひとしきり泣くと、真っ赤な目をして彼が笑った。
「こんなに泣いたの初めてだよ…」
「スッキリした?」
「うん…」
熱のせいか照れたせいか分からないけど、彼の顔も真っ赤になっていた。
「よかった。
じゃあ今度こそ寝よっか」
「うん。
あのさぁ…」
「ん?」
「抱きついたまま寝てもいい?
息苦しくてどうしようもなくなると、怖くて寝れなくなりそう」
上目遣いで勝也くんが尋ねる。
それは反則だろ…
そう思いつつも、動揺は隠して笑顔でうなずいた。
「おやすみ、勝也くん」
「うん、おやすみなさい」
明日の朝、目が開かなくなった勝也くんの顔を見るのが楽しみだ。
少しだけにやけながら、その日は眠りについた。