Sales Contract
第9話
翌日の朝、あたしが最悪の目覚めを迎えたのは言うまでもないだろう。
勝也くんがいないベッドは少し広すぎる。
それに…お姉ちゃんからの電話で目を覚ましたんだから。
「もしもし…」
「ごめん、起こしちゃった?」
声から推測すると、悪いと思っている様子は全く無さそうだ。
「大丈夫。それで、どうしたの?」
「今日ゆっくり話せない?
昨日は何も話せずに終わっちゃったから」
正直そんな気分では全くなかったけど、断る言い訳も見つからないので許可してしまった。
つくづくあたしってお姉ちゃんに弱いなぁと実感する。
予定の時間は7時。
あたしの仕事が終わったら家まで来るらしい。
ちょうど勝也くんがいない時でよかった。
でも、改めて話したいなんて…一体何だろう。