Sales Contract
「犯罪なのはわかってたけど…そう言われると本当に罪悪感感じちゃうじゃない…」
「犯罪なんかじゃないよ。
これはセールス。そうでしょ?」
相変わらず可愛らしい目で見つめてくる。
呆れた。
なんだかぐったりしてしまう。
「君はそれでよく18年間無事に生きてこれたわね」
「俺、人間関係には恵まれてるから」
もう何か言う気も失せた。
「幸せものね。今日は疲れたからもう寝る」
再び横になると彼が優しく抱いてくれた。
「おやすみ。これからよろしくね」
猫なで声でそう言われたが、それには答えず眠りについた。
彼との長い共同生活は、まだ始まったばかりだ。