Sales Contract
……………
翌朝
「先輩!
昨日はありがとうございました」
朝から村上の明るい声が社内に響いた。
「わかったから、もうちょっと落ち着いたら?」
「だって…渡辺くんかっこいいんですもん。
それで、先輩にお願いがあるんですけど…」
「何?」
大体想像はつくけど。
「渡辺くんに彼女がいるのか、勝也くんに確認してもらえませんか?」
やっぱりそうだ。
「わかったから、ちゃんと仕事しなさいよ」
断る理由も見つからないしね。
「ありがとうございます」
そう言って彼女はうれしそうに笑った。
イケメンの一人や二人でここまでテンションが上がる彼女が羨ましい。
…そう思う自分も、顔が綺麗だから勝也くんと一緒に住むことを決めたんだっけ。
でも、彼女ほどはしゃいでないだけマシよね。
なんて、自分をなだめてる自分が悲しい。