Sales Contract


渡辺くんの言った通り、彼のアパートは駅のすぐ近くにあった。



階段を上ってすぐの部屋が、彼の部屋らしい。


渡辺がジーンズのポケットから鍵を出し、ドアノブに入れてひねると鈍い音がした。


「狭い部屋だけどどうぞ」

慣れた手つきでドアを開けてくれた。
女性を先に入れさせるなんて、結構遊んでる人なのかもしれない。


「お邪魔します」


この歳になって若い男の部屋に入るなんてはじめてだ。


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