Sales Contract


「すぐ左に曲がった部屋に入ってください」


指示された部屋に入ると、見慣れない光景が広がっていた。

教科書の散らばった机、雑誌の山、アメリカのロックバンドのポスター…

全て自分とはかけ離れた世界のものに見えた。


「散らかっててごめんなさい。
これでも一応まだ片付いてる方なんですけどね」


背後から渡辺くんの声がした。


「いかにも大学生の部屋って感じね」


「小さいテーブルで悪いんですけど、適当に座っててください」


少し戸惑いながら、床に置かれたクッションの上に座った。


< 228 / 310 >

この作品をシェア

pagetop