Sales Contract
「今更泣いても無駄ですよ?」
そう言って力強く、床に押し倒される。
抵抗しても無理なのは分かってるけど、出来る限りの力で彼の手を振りほどこうとした。
「あんまり暴れないでくださいよ」
「渡辺くん、やめて…
もうあたし、勝也くん以外の人に触れられたくない…」
そんな言葉の意味もなく、彼はあたしの耳元に顔を近付けた。
もうだめだ…ごめんね、勝也くん。
心の中で彼に謝りながら、怖くて顔を横に向けた。
「よく言えました」
耳元で確かに彼がそう囁いた。