Sales Contract


「じゃあ、最初から話しましょうか」


「うん、お願いします」


姿勢を正して渡辺くんをじっと見た。


「秋本と仲良くなったのは今から3ヶ月くらい前なんですけどね。
2人で色々話す機会があったから…そのとき、彼の家族について話を聞いたんです。
そしたら家族はいないけど一緒に住んでる人なら居るって言われて…
友達かって聞いたら、どっちかって言うとご主人様かなって真面目な顔で答えられたんですよ」


ご主人様…確かに、出会って間もない頃のあたしたちは、主従関係って言ってもおかしくないような関係だった気がする。


「そんなこと言われたら、笑うこともできなくて…」

確かに普通の人ならそうなるだろう。
苦笑いをしてしまった。


「詳しく話をしだしたと思ったら、ネットで知り合った年上の女の人と暮らしてるって言うじゃないですか」


呆れた顔でこちらを見てきたので、目をそらしてしまった。


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