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「じゃああたしもプレゼントいただこうかな」

勝也くんの興奮が少しおさまったところで、ケーキに視線を移した。

「どうぞどうぞ。よければナイフで切って食べて」

そう言ってナイフとフォークを差し出される。
崩すのがもったいないけど、言われた通りケーキにナイフを入れた。

その瞬間、想像と違う感触に一瞬クエスチョンマークが浮かぶ。

「あ、すごい」

ドームの中から出てきたのはたくさんの宝石のようないちご。

驚きっぱなしのあたしを見て面白そうな彼。

「しっかり半分に切ってみて」

言われた通りにした時、突然固い音がした。

「ん?」

フルーツの中から出てきたのは…

「これ、指輪…?」

「ピンポーン」

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