Sales Contract
第13話
三月頭の土曜日、あたしたちは落ち着きなく何度も時計を見ては内容のない会話をしていた。
今日は第一志望の大学の合格発表の日。
勝也くんがそわそわするのは分かるけど、こちらまでつられてしまう自分の不安定さに悲しくなる。
センター試験はそれなりに結果を出せたようで自信を持って帰ってきてほっとしたけど、二次試験は前年までと少し傾向が変わったようで、さすがの勝也くんでもここ数週間は強がりつつも不安を隠せない様子だった。
もしダメだった時になんて言葉をかけたらいいかな。もし受かってたら、その時のリアクションは感情のままにしてもいいかな。
頭の中でそんなことをぐるぐると考えながら発表時間を待っていた。
開示の時間まではあと10分。
大学のホームページを立ち上げる以外やることもなく、徐々に口数が減っていく。