Sales Contract
第3話
「千絵」
どこか遠い所からあたしを呼ぶ声がする。
聞き覚えがある。
いや、嫌になるほど鮮明に覚えている。
この低い声、切れ長の目も癖のある茶色い髪も。
春樹…
彼の名前を呼ぼうとした瞬間に目が覚めた。
嫌な夢。
思い出したくないことまで色々思い出してしまう。
ふぅっとため息をつくと、隣から笑い声が聞こえた。
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