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「こういう部屋が好きなの」


「ふーん…
あ、そうそう…千絵が好きなチーズケーキ、作ってきたの!早く食べて」

楽しそうに彼女は言う。
もういい大人なのに、何故だかそれが可愛らしく思えた。

そんな些細なことでさえ純粋に、うらやましく思ってしまう。


「ありがと。もらうね」


ケーキを箱から出して頬張った。
いつもどおり、淡白な味がする。


もう10年以上昔の話になるけど…
当時甘いものが苦手だったあたしが、彼女が作ったチーズケーキだけは美味しいと言っていくつも食べたのが相当嬉しかったらしい。
それをきっかけに、今でも彼女はうちに来るたびにこれを持ってくるのだった。

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