Sales Contract
「それにショックを受けてるのにも関わらず、極め付けに高校で可愛がってた生徒と再会したって言うの。
勝也くんの働いてるコンビニで」
「千絵さん…」
「みごとに負けたわ。
お金でつなぎとめたはずの勝也くんでさえ、彼女に取られちゃうんだから」
苦笑いがこぼれた。
「それで何だか嫌になっちゃって、今日は社長に会ってきたってわけ」
「…さっきはごめんね」
俯きながら彼がそう言った。
「勝也くんが謝らないでよ。
あたしが幼稚だっただけなんだから」
都合が悪そうな顔をしている彼の頭をそっと撫でる。
「まず、彼女の代わりにしてもいいって言ったのはあたしだしね」
「でも…」
「悲しくなってくるからそれ以上言わないで」
そう言ったら勝也くんは黙りこんでしまった。
嫌な沈黙。