夢なんてみるな。
そろそろ、でようかな。
でもなんだか出たくない。
お風呂場の湯気は、昔から現実と離れる気がして好きだ。
だから、出ると頭が重くなる。
『ははっ…
ばかだなぁ…』
安らぎなんて、ないのに。
そう鼻で笑って、一気に湯船からあがる。
わたしと一緒に外へ出ていく湯煙はまた空気にとける。
わたしも、また明日から人混みにとけるのだろう。
そんなことをまた思い、服へ手をかけると
ピカッ…ピカッ…ピカ…
光が視界に入った。
あれ、さっきちゃんとメールみたはずなのに…。
新着のメールだとしてもバイブで気づくはず。なのに、点滅しているそれ。
すぐに服を着てそれを手にとると
《新着メール 1件》