黒猫の願い事
*
(……ん?)
言葉を言いきらないうちに、なにかおかしな異変があったことに僕は気付いた。
今までと同じ場所にいるのに、見えるものが微妙に違う。
ゆっくりと首を回して上の方を見上げると……
(な、なんでだよ!?)
今、おかしなものを見たような気がして、僕は焦って視線を戻した。
でも、今度はまたそこに違う驚きを感じてしまった。
僕は外にいることは間違いない。
なのに、僕の座っている所は土の上じゃなくて、紺色の生地の上で……
「わぁ……」
僕の座ってた所が急に動いて、僕は土の上に投げ出された。
「すっごい!こんなに遠くまで見えるんだ!」
その声は明らかに僕の声で……僕は首が痛くなるほど上を見上げると、そこには見慣れた僕の姿があって……
(ははは……嘘だろ?
なんで、僕の姿を僕が見てるんだ?
一体、どうなってんだ!?)
僕は激しく混乱していた。
全く、わけがわからない。
なんだって、こんな……
……そうか!わかった!
僕は夢を見てるんだ!
「人間って、やっぱりすごいもんだね。」
僕が腰をかがめて僕に近寄り、そして、僕の身体をひょいと持ち上げた。
「……どう、マイケル?
喜んでくれてる?」
(……は?なんだって?
マイケルは僕…だよな?
ってことは、今の質問は僕に対しての質問で……
でも、質問してるのは僕で……
あぁ、気味が悪い……
お願いだ、早く覚めてくれ!)
僕は眠りから覚める方法なんて知らないから、固く目を閉じ、とにかく心の中でそう祈った。
「ちょっと冷えてきたし、とにかく帰ろうね。
あ、これはなくしちゃ大変。」
僕はそう言って、傍らに落ちていたロザリオを自分の首に架け、僕を抱いたまま、家に向かって戻って行く。
悪夢はまだ覚めない。
僕を抱いた僕の歩く振動さえ、現実みたいにはっきりと伝わって来る。
「ふぎゃーーーー!」
神様ーーー!と叫んだはずなのに、僕の声はアレクみたいな猫の声になっていた。
(……ん?)
言葉を言いきらないうちに、なにかおかしな異変があったことに僕は気付いた。
今までと同じ場所にいるのに、見えるものが微妙に違う。
ゆっくりと首を回して上の方を見上げると……
(な、なんでだよ!?)
今、おかしなものを見たような気がして、僕は焦って視線を戻した。
でも、今度はまたそこに違う驚きを感じてしまった。
僕は外にいることは間違いない。
なのに、僕の座っている所は土の上じゃなくて、紺色の生地の上で……
「わぁ……」
僕の座ってた所が急に動いて、僕は土の上に投げ出された。
「すっごい!こんなに遠くまで見えるんだ!」
その声は明らかに僕の声で……僕は首が痛くなるほど上を見上げると、そこには見慣れた僕の姿があって……
(ははは……嘘だろ?
なんで、僕の姿を僕が見てるんだ?
一体、どうなってんだ!?)
僕は激しく混乱していた。
全く、わけがわからない。
なんだって、こんな……
……そうか!わかった!
僕は夢を見てるんだ!
「人間って、やっぱりすごいもんだね。」
僕が腰をかがめて僕に近寄り、そして、僕の身体をひょいと持ち上げた。
「……どう、マイケル?
喜んでくれてる?」
(……は?なんだって?
マイケルは僕…だよな?
ってことは、今の質問は僕に対しての質問で……
でも、質問してるのは僕で……
あぁ、気味が悪い……
お願いだ、早く覚めてくれ!)
僕は眠りから覚める方法なんて知らないから、固く目を閉じ、とにかく心の中でそう祈った。
「ちょっと冷えてきたし、とにかく帰ろうね。
あ、これはなくしちゃ大変。」
僕はそう言って、傍らに落ちていたロザリオを自分の首に架け、僕を抱いたまま、家に向かって戻って行く。
悪夢はまだ覚めない。
僕を抱いた僕の歩く振動さえ、現実みたいにはっきりと伝わって来る。
「ふぎゃーーーー!」
神様ーーー!と叫んだはずなのに、僕の声はアレクみたいな猫の声になっていた。