17-甘い君たち-
□■S□
「そんなわけないでしょ、バカ」
なんて。まるで、本当に妬いてるみたいな口調で、耳まで真っ赤にさせてる南緒。
……どれだけ俺を好きにならせれば気がすむんだろう。
後ろから抱きしめる、南緒の感触。
南緒の鼓動、言葉、匂い。
全部可愛くて。全部、愛しい。
俺の挑発に、こんなに全身を熱くさせて、焦ってるなんてさ。
離せないっつの……。
「俺が他の女子に追い掛け回されるの、嫌?」
ホント、俺もどうかしてる。
好きな子にこんな挑発してどうすんのってさ。
でも、だって。南緒が。
南緒が、今は俺のことだけを考えてくれてるんだ。今この瞬間は、俺のことだけを。
「……それは、やだ」