17-甘い君たち-


________ドクン


ビックリするくらい、大きくはねた心臓。


「やだ、って……」

「……」


南緒はそれ以上なにも言わなくて。

俺は、どうしたらいいのかわからなかった。

やだ、って。南緒が初めて、そんなことを言ったのに。初めて、俺に対して妬いてくれてるのかもしれなくて。

……まって、本当に、死にそう。

嬉しくて。顔がにやけるのが止まらない。南緒の後ろにいてよかったとめちゃくちゃ思う。


「……南緒の誕生日の次の日、何があるか知ってる?」


唐突に聞いたからか、南緒の身体がぴくりと跳ねた。

なんなの、本当に。俺のこと、意識してくれてんの。なあ、南緒。
俺、お前が可愛すぎて、そろそろやばいよ。

中々返ってこない返事にしびれを切らして、南緒を呼ぶ。


「南緒?」


そしたら。

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。


________ああ、本当にヤバイ。


南緒の鼓動が、痛いくらいに伝わってくる____。


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