山田さんはOを飼っています。         【Q】Oとは?



「何って、忠犬ですからお迎えに来たんデスケド、ご主人様♪ついでにお散歩してよ?」


「は、はぁっ!?」


「てな、ジョーダンだけどなっ。ホレ、墓参り行くんだろーが。持って来てやったぜ。」




そう言って渡されたのは白薔薇。


だけど朝の一本だけじゃなくて束になっている。



いかにも花屋で買ったみたいな一本と違って、茎が不均一に曲がっていて不揃いだけど。





「一本じゃサミシーだろ。バイト先の庭に咲いてたヤツ。譲ってもらった。」





ふっと笑うジローに、きゅんとした。


思わず赤くなった顔を隠すように俯く。






「あ、アリガト……」






ヤバイ………バカジロー




そんな優しくされたらどーしてイイか分かんないじゃん……。







「じゃ、そーいう事で、小町はこれから俺と墓参り行くし。チビ子は番犬でも呼んで適当に帰れ~。」






ジローが勝ち誇ったように威嚇気味の萌にそう言って、私達は一緒に墓参りに向かった。


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