共犯
「おい、那奈?」
彼氏も慌てたようだ。脱ぎ散らかした服をそのままに那奈をバスルームへ連れていく。
彼は戻ってくると、ふと、ジーンズのポケットから小瓶を出した。
「それ、なに?」
「那奈専用睡眠薬。最近寝つき悪いんだって」
言いながら、ザラザラと那奈の缶ビールの中へ大量に入れていく。
「……なにしてんのよ」
愕然としていると、彼はニヤリと笑って缶を振る。しゅわしゅわと、薬は妙な音を立てて液体と溶けて混ざっていく。
「那奈がいなくなって、朱里が彼氏と別れれば、俺達付き合えるよ」
「私、あんたと付き合いたいなんて思ってないけど」
「それでもいい。邪魔だから始末する。ここで死んでも、酔って覚えてないってことにしといて」
なんて恐ろしいことを言い出すの。
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