部下
「俺じゃ彼氏さんの代わりになれませんか?」
「え?」
他の人には見えないように机の下でそっと手を重ねてくる。
「俺、先輩のこと好きなんです」
『あなたがほしい』
年下男子のストレートな告白は私の胸にすとん、と収まった。
「……幸せにしてくれる?」
二十代独身の女は臆病だ。
でも彼なら、と熱心に想いを伝えてくれるこの男にすべてを委ねたくなった。
「もちろん」
言葉に比例するように、ギュッ、と力強く握りしめてくれる手。