この家に他の男と住んでいます。
第1章
私、百合。22歳。
次の春から社会人になる大学4年。
物心がついたときには母は他界していて、それからはずっと、毎日仕事ばかりの父と2人暮らしだった。
家族の会話もあまりない。
女の子特有の悩みも話せない。
私はほとんど家に1人だった。
そんな環境で育った私は、自分で言うのもおかしいけれど冷たい人間だ。
心の開き方がわからなくて、友達は幼稚園のころから高校までずっと一緒の学校に通っていたユウちゃんっていう女の子、ただ1人だけ。
でも、大学進学と共に私は引っ越した。
それ以来ユウちゃんとは連絡を取っていない。
だから私は…1人だ。