この家に他の男と住んでいます。


「もう4年も2人でいるのにね…って、外の会話聞こえてたの!?」


私がそう言うと、隼はため息をついた。


「今日のは聞こえなかったけど、今まではたまに聞こえてた。全部同じ別れ話だな。さすがに覚えたわ。」


だよね。
だって、家にあげるのもそういう関係になることもどうしても嫌だから。

こうして断るしかなかった。


男は私の外見しか見ていないひどい奴。

でも、私もいつだって本気で恋していない。

お互い様だなぁ。


「なぁ、ちょっと1回本気で考えてみない?」

隼が真剣な顔をして言った。

「なにを?」

「俺らの関係について。」


今まで本気で考えたことなんてない私たちの関係。

それ以前に私たちはお互いのことをほとんど知らない。


こういう風に話し合うなんて発想なかった。


いつまでもこのままじゃいけない。

私たちの関係は何?



姉と弟であろうと、その事実を気にせずただの同居人であろうと

関係があきらかになったとき、私は1人じゃないと思えるかもしれない。



「わかった。考えてみよう。」


私たちは初めて2人で向かい合って座った。


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