河の流れは絶えず~和泉編~
其の拾壱 デエトの約束
ひとつ
彼女が飯を食べ終わってから、いよいよ今回の試験の大詰めの科目、物理に取り掛かる。
彼女は物理が幾分苦手らしい。
今までの成績は決して悪いほうではないのだが、苦手意識が働いて、なんでもないところでミスを犯してしまうタイプらしい。
「林太郎は教えてくれないの?」
なんとなく口にした。
あいつのことだ、せいぜいかいぐりしながら教えてやってるんじゃないかと思って口にしてみたが、彼女の顔はそうではないことを教えてくれた。
すぐさま、
「兄はあたしの勉強を見るなんてこと、まずしません。」
教科書をパラパラめくりながらそっけなく吐き出す。
彼女は物理が幾分苦手らしい。
今までの成績は決して悪いほうではないのだが、苦手意識が働いて、なんでもないところでミスを犯してしまうタイプらしい。
「林太郎は教えてくれないの?」
なんとなく口にした。
あいつのことだ、せいぜいかいぐりしながら教えてやってるんじゃないかと思って口にしてみたが、彼女の顔はそうではないことを教えてくれた。
すぐさま、
「兄はあたしの勉強を見るなんてこと、まずしません。」
教科書をパラパラめくりながらそっけなく吐き出す。