河の流れは絶えず~和泉編~

ふたつ

「あのさ、夏葉ちゃん。」

読みかけの本を閉じて、彼女に近寄る。

「明日、一日は息抜きに使おうよ。気持ちを切り替えて、あさっての試験に臨んだほうがよくないか?」

ここで試験勉強を始めてから今日までまったく休みなしで来ていた。

よく頑張れる子だな、と感心はしていたが、それは無理をしてしまう子だ、ということだ。

根を詰めるんだな。

だが、毎日の勉強であまり顔色が良くない。

ずっと気に掛かっていた。
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