河の流れは絶えず~和泉編~
彼女はほんの少しため息をついて、

「そうですね、明日は家でゆっくりしようかしら。」

と外の夕焼けを見た。

少しのぞく首筋がいやに艶めかしい。

だが、いくらも見ずに俺のほうを向いて、

「あたし、佐脇さんにまた世話になっていて、このままなりっぱなしは何だか嫌なんです。何か、お礼させてもらえませんか?」

何とも、たまげたことを言う。

まだそんなこと気にしているのかこの子は。
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