河の流れは絶えず~和泉編~
もっとも、

「銀行家に目覚めなければ、俺も丸太を転がしていただろうがな。」

といつだったか語ってくれた。

今も昔も祭りと喧嘩が大好きな下町の兄さんだ。

「でも、偉丈夫な浩ちゃんのことだ、そこらへんの女の子が放っておかねぇだろ?きっとその子ともいい返事が聞けると思うよ。」

それを聞いていたおばさんは俺に目配せをしながら、おじさんにお茶を渡す。

あのことも、聞けってことか?

「あのさ、おじさん。」

幾分、神妙に言葉を繋げる。
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