河の流れは絶えず~和泉編~
「さ、行こうか。今日はちょっとばかり遠いからぐずぐずしてると日が暮れる。」

そう言って、歩き出す。

彼女も並んで歩き出した。

しばらくすると後ろから

「ちょっと待って。」

と声を掛けられた。

後ろを振り向けば二間(にけん)程後ろに彼女がいる。

彼女がまた再び、横に並んで歩き出すとしばらくしてまた声を掛けられる。

ああ、そうか。

歩幅の違いか、そう思いつき、いくらか歩みを緩めて歩くことにした。
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