河の流れは絶えず~和泉編~
「ああ、連れが待っているからさ。」

と俺も外を見た。

おじさんと目が合うと、にやりと笑われ、

「そろそろ春でもきたか?」

と言われ、

「そんなんじゃ、ねぇよ。」

と、かわした。

外は先ほどより、より一層暗くなりだしてきている。

ああ、、、、、もうすぐ来るな。

おじさんに礼を言って、急いで外に出た。

引き戸を引いて、

「ごめん、ごめん。待たせてしまって。」

と声を掛けると、

「きゃ!」

とひどく驚いた声をあげて俺を見た。
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