河の流れは絶えず~和泉編~
前の晩、遅く帰って来、翌朝起きたのが10時すぎで、寝ぼけ眼で時計を見ていたが、しばらく頭が働かなかった。

そして、ようやく今日何をするのかがわかってき、慌てて今の自分を鏡で見た。

「ひどい顔だな、これじゃあ会いにいけないぞ。」

まず、水浴びするかと、井戸まで行き、盥(たらい)に水を汲んだ。

もう、日は高くなり、水浴びには打って付けの日和だ。

それでも、水はまだ冷たく、浴びると目が覚めたが、気持ちもしゃんとした。

そう、これから会うんだ、、、。

「おやおや、こんな時間から水浴びかえ?風邪なぞひかぬようにな。」

後ろから、ここの大家のおばさんが声をかけてきた。
< 20 / 183 >

この作品をシェア

pagetop