河の流れは絶えず~和泉編~
「まあ、ここで待つのも楽しみのうちか、、、。」

そう言いながら、彼女が来る方を見たら、遠くから彼女の姿が現れた。

早足でやってくる。

急いで来ているのかな、あの様子からそう感じられて何だかうれしくなる。

俺を見止めたのか、足並みが緩くなり、彼女が微笑みながらこちらへ近づいて来るのがわかった。

「こんにちは。」

そう言いながら、彼女は俺の傍まで来た。

「やあ、やっと会えましたね。先週はすまなかった。抜き打ちの試験を土曜に言われて、翌週試験だったんだ。」

「ええ~!大変だったんですね。こんなこと、よくあるんですか?帝大では?」

と、びっくりした様子で聞いてくる。
< 26 / 183 >

この作品をシェア

pagetop