河の流れは絶えず~和泉編~
「う~ん。みんながみんなあるわけじゃないよ。ただ、僕が所属しているところの教授は抜き打ちが大好きなのでね。それにつきあっているんだ。」

話しながら歩き始めた。

彼女は俺を見ながら

「大分待たれたんですか?」

と聞いた。

「まあ、少しね。それより、腹減りませんか?僕、実は昼飯まだなんです。」

「あたしも、今日は外で食べてくると母に言ってきたのでお昼はまだなんです。」

と言って、彼女が母親を言いくるめるために話した作り話を教えてくれた。

内容もおもしろかったが、彼女の話し方がまた真に迫っていて、なお笑えた。

「ははは、それはいいですね。じゃあ、今日はあちこち僕に付き合ってもらえるんですか?」

ちょっと茶化して聞いてみた。
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