河の流れは絶えず~和泉編~
「かまうもんかよ、彼女にほの字は他にもいるぜ。」

目をぎらつかせんばかりに俺を見る。

しかし、俺としてもここはある程度示したほうがいいかと思い、

「俺がだめなら、林太郎だってよしとは言わないぜ?それに、今日は俺が貸切だ。悪いが別の日にしてくれ。」

彼女の肩を抱いてさっと店を出た。

そのときの奴の驚き様は、まあ実に傑作だった。

効果覿面と言っていい。
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