河の流れは絶えず～和泉編～

「おばさんいいわよ。ごちそうになりに来たんじゃあないわ。こちらがお菓子をほしがってらっしゃるから付いて来ただけなんだから。」

｢何言ってんだい、この子は。遠慮なんかしないでお食べな。ところで、どんなこんなで知り合ったのさ、え？｣

と興味津々で聞いてくる。

またおばさんの話癖が出てき出した。

「どんなってねえ、、、。」

と彼女は俺に目配せして当たり障りのない程度に話した。

「このあいだ、えらく雨が降ったでしょう？その時に、あたしの下駄の鼻緒が切れちまって、それも両方とも！そこへ偶然通りかかった佐脇さんが助けてくだすったのよ。鼻緒を直してくだすったの。」

女将さんの顔がどんどんと驚きの表情に変わっていく。

なんなんだ？