河の流れは絶えず~和泉編~
「あたしと一緒にいるといろんなこと言われるんじゃないんですか?佐脇さんの迷惑になるのはいやなんです。」

薄闇の中で彼女が俺をじっと見詰めている。

ああ、この子はこんなこと、気にしているのか。

彼女の気持ちと俺の想いが心の中で入り混じる。

苦しかった。

「そんなこと、今まで一度も思ったことないよ。それとも、俺がそばにいるのが迷惑なら、」

「そんなことないです!」

あんまり大きな声だったので、少しびっくりした。
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