TABOO†シークレットレポート~秘密の恋
「何をお探しですか?」
深みのある声に振り向けば、司書の彼が思いのほか近くにいた。
彼はひょいと私の手の中の目録を覗き込んだ。
「あぁ、これなら一番奥の通路の---」
私は彼の背中を追って、迷路のような書庫の奥へと足を進める。
「これですね?」
差し出された論集を受け取る時、二人の視線が絡み…
論集が手から滑り落ちてバサリと音をたてた。
私達は魅入られたようにどちらからともなく抱き合う。
以前レファレンスで彼にアドバイスを受けた時からずっと意識していた。
こうなることを…