LoVe LeTtEr




「おー、貴史じゃん」




暑くも無く寒くも無い、居心地の良い温度の中で、

それと同じ位 緩い空気感で、

香澄が手を上げて言った。






「…おぅ」




内心とは裏腹に、笑って軽く返事を すると、

そこで初めて

香澄のベッドの脇に居る、女の子が目に入った。




…正直、すげー可愛い子で、

一瞬 引いた。






「こんにちは~」




そのまま動けない俺を よそに、

人好きの する笑顔で、その子が言った。




…彼女が笑うと、空気が、変わる。


ピリピリした空気でも一瞬で柔らかくなるような、

″癒し系″のオーラが出ていた。




可愛 過ぎて、近寄り難い雰囲気すら あるのに、

その笑顔で、一気に引き寄せられる。






―この子は、ヤバい―




…単純に そう、思った。





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